介護士の仕事上の理念

介護士とは特定の資格の名称ではなく、介護現場で介護の仕事をしている人を指す言葉です。
介護現場とは老人ホームなどの介護施設だけを指すわけではなく、ホームヘルパーとして訪問する利用者の自宅も含まれます。
介護に似通った言葉で介助がありますが、そのニュアンスは若干異なります。
介助とはそばに寄り添って動作を手助けすることで、入浴介助や排泄介助などの具体的な行為を指します。
介護は利用者の意思を尊重しつつ、日々の生活を手伝うことで自立を支援することです。
2つの用語には重なる領域もありますが、介護を実現するための手段が介助だとも言えるでしょう。

介護に従事している職員に求められることは高齢者や利用者の尊厳を守り、自立できるように支援することですが、それを達成するために提唱された介護の三原則があります。
1982年にデンマークで提唱された理念で、生活の継続性、自己決定の尊重、残存能力の活用の事を言いいます。
生活の継続性ではできるだけ生活環境やこれまでの習慣を変えることなく、可能な限り今までと同じ生活を継続するということです。
自己決定の尊重は利用者本人が希望していない介護は行わないこと、本人が意思決定をして介護する側はその意思を尊重することを言います。
残存能力の活用とは利用者にまだ残されている能力を最大限に活用し、日常生活の中で本人ができることはやってもらうことです。
利用する人の気持ちを尊重し、相手の立場になって考えることが無理のない介護につながるでしょう。